2050年カーボンニュートラルの実現のための革新的な技術開発を目指して、主にバイオマス熱硬化性樹脂の開発に取り組んでいます。また、フェノール樹脂やエポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂およびベンゾオキサジン樹脂などの硬化前のオリゴマーの構造設計、それらの硬化物物性評価に関する研究等を行っており、特に第5世代移動通信システム(5G)に対応可能な低誘電性エポキシ樹脂の開発を目指しています。さらに、熱硬化性樹脂と各種フィラーとの混練技術やその成形加工にも取り組んでいます。熱硬化性樹脂のモノマー合成から硬化物作製、その物性評価および成形加工まで対応できる日本国内でも珍しい研究室です。熱硬化性樹脂でお困りのことがあれば、弊所までご連絡ください。
担当者
・木村 肇 総括研究員兼 研究室長
・米川 盛生 主任研究員
・下川路 朋紘 研究員
・大塚 恵子 研究フェロー
対応領域
自動車、航空機、鉄道、家電、産業機器、電力、通信分野など熱硬化性プラスチックを使用する産業
研究内容
バイオマスを活用した熱硬化性樹脂の開発
スギ材から抽出した改質リグニンと熱硬化性樹脂と複合化させたバイオマス熱硬化性プラスチックの開発に取り組んでいます。改質リグニンを樹脂成分の1つとして用いることで、熱硬化性樹脂の1つであるフェノール樹脂の耐熱性および柔軟性の両方を同時にアップさせることができることがわかってきました。現在、実用化を念頭に置いた研究開発を行っています。
カリックスアレーン構造を熱硬化性樹脂に導入
フェノールの環状オリゴマーであるカリックスアレーン(CA)構造を熱硬化性樹脂に導入することで、その耐熱性を飛躍的にアップさせることに成功しました。当研究室ではモノマーやオリゴマーの設計・合成から取り組むことで、これまでになかった構造の熱硬化性樹脂を開発しています。
ベンゾオキサジン樹脂を用いた高性能熱硬化性樹脂の開発
硬化反応過程でホルムアルデヒドやアンモニアガスなどの有毒な揮発物を発生せず、酸やアルカリなどの触媒も必要としないベンゾオキサジン樹脂を用いて、成形性や耐熱性、難燃性などに優れた高性能熱硬化性樹脂の研究を行っています。
ポリロタキサンを用いたエポキシ樹脂の改質
線状の軸高分子が複数の環状高分子を貫き、嵩高い置換基によって軸末端が封鎖されたポリロタキサンを用いて、エポキシ樹脂の改質に取り組んでいます。
連絡先 9:00~12:15/13:00~17:30(土日祝・年末年始を除く)
依頼試験、技術的相談、相談内容で担当部署がわからない場合は、
技術相談窓口(06-6963-8181)へお尋ねください。