地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

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生物・生活材料研究部

 バイオ(微生物、酵素、脂質、糖質など)と化学の力を使って、生活を豊かで快適にするための研究に取り組んでいます。
  健康の維持・増進に役立つ食品・医薬品・化粧品・化成品素材の開発、微生物・ウイルス・バイオフィルムの評価・制御技術の開発、新機能を付与した香粧品素材の開発、分子認識能を利用した両親媒性高分子、低分子ゲル化剤、新規機能性界面活性剤や新規洗浄剤の開発、金ナノワイヤー合成法の開発、および質量分析計による高度分析などを行っています。

(生物・生活材料研究部長 : 永尾寿浩)

糖質工学研究室

  • 1)酵素や微生物などバイオの技術を利用して、糖質関連素材の改質や高付加価値化に関する研究及行っています。また、HPAEC-PADに等よる糖質の分析・定量や質量分析やNMRを用いた糖質の構造決定など、糖質に関わるの受託研究、試験分析を行っています。
  • 2)電子顕微鏡を用いた微細構造観察などによる食品物性の評価や、介護食、機能性食品の開発なども行っています。
  • 3)JISなどの規格を参考にした、抗菌製品の開発支援や抗菌試験(抗バクテリア・抗カビ)

脂質工学研究室

「微生物」、「脂質(油脂)」、「酵素(リパーゼなど)」をキーワードとして、脂質の抗菌活性、皮膚細菌叢の制御、バイオフィルム形成抑制、微生物の遺伝子操作や遺伝子解析、機能性脂質の製造や精製、酵素の性質の解析などの研究に取り組んでいます。また、バクテリオファージを用いた抗ウイルス性簡易評価、細胞を用いた毒性や機能の評価技術などの開発も行っています。

界面活性剤研究室

安価な天然原料(油脂、アミノ酸、糖など)を用いて、様々な機能を持つソフトマテリアル(界面活性剤や高分子)の開発に取り組んでいます。例えば、界面活性剤分子が自己組織化する性質を活用したさまざまな溶媒をゲル化・増粘する低分子ゲル化剤の開発、酵素と化学触媒とを組み合わせた合成プロセスのワンポット化など機能性素材の製造プロセスの研究、外部刺激や分子認識能を利用した両親媒性高分子の会合挙動や会合プロセスでの物質の担持・徐放性能の制御などに関する研究、分子集合体を鋳型とした金ナノワイヤーの合成と構造制御の研究を行っています。また、質量分析計を検出器として用いた各種クロマトグラフィーによる界面活性剤製剤の成分の定性・定量や製品自身のプロファイルを可視化する研究なども行っています。

主な試験・分析項目

食品物性の分析

粘度(E型)、動的粘弾性、破断強度、引張強度、示差走査熱量(DSC)測定


タンパク質の分析

電気泳動(SDS, Native, 等電点)


脂質等の分析

酸価、けん化価、ヨウ素価、過酸化物価、脂肪酸定量(メチル化処理後ガスクロマトグラフ)、TLC-FID(イアトロスキャン)、酸化安定性


糖質の分析

直接還元糖、ブドウ糖、果糖、高速液体クロマトグラフ(HPLC)による分析、旋光度、核磁気共鳴(NMR)、質量分析


酵素力価の測定

プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ糖化力、アミラーゼ液化力、セルラーゼ糖化力


微生物試験

生菌数、抗菌活性(最少生育阻止濃度(MIC)、最少殺菌濃度(MBC)など)、抗ウイルス性簡易評価


水分測定(カールフィッシャー法・乾燥重量法)

液体・粉体・固体・プラスチックなどの水分量、水分気化装置を用いた水分量、固体やプラスチックなどの表面付着水の測定


オレオマテリアルの分析

分光分析:核磁気共鳴(NMR)、赤外分光分析、紫外・可視分光分析、旋光度
分離分析:液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ、キャピラリー電気泳動(有機酸)
質量分析:LC-MASS分析、GC-MASS分析、GC-MASS/MASS分析、DART MASS、ESI MASS、MALDI TOF MASS
物性評価:接触角の測定、表面自由エネルギーの測定、表面張力測定


石けん・洗剤の分析

成分分析:ケイ酸塩、全リン酸塩、EDTA、タイター、界面活性剤、ケイ光増白剤、ひ素、重金属(Pb)
物性評価:粘度(E型、B型)、表面張力、起泡力
性能評価:洗浄力、生分解性


界面活性剤の試験・分析

分光分析:核磁気共鳴(NMR)
分離分析:液体クロマトグラフ、質量分析
物性評価:表面張力測定、動的表面張力測定、接触角測定、粒度分布測定、ゼータ電位測定(微粒子および平板試料)


油脂・石油類の試験・分析

比重、引火点、動粘度、酸化安定性

主な機器・装置

食品物性関係

レオメータ(動的粘弾性測定装置)、テキソグラフ、E型粘度計、示差走査熱量測定装置(DSC)


微生物の培養

ジャーファーメンター、振とう培養装置、恒温インキュベーター、オートクレーブ、クリーンベンチ、安全キャビネット


細胞の破砕

超音波発生装置、フレンチプレス


生体試料調製

冷却遠心分離機、凍結真空乾燥機、薄膜式分子蒸留器、限外濾過装置


生体試料分析

ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)、カールフィッシャー水分計(水分気化装置付き)、キャピラリーガスクロマトグラフ(GC)、イアトロスキャン(TLC-FIDアナライザー)、ルミテスター、キャピラリー電気泳動、マイクロプレートリーダー(吸光、蛍光、発光)、マイクロプレートリーダー用高温振とう培養機、リアルタイムPCR、電子顕微鏡


糖質の分析関連

分光光度計、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、糖質分析装置(HPAEC-PAD)、旋光度計、核磁気共鳴(NMR)、質量分析計


オレオマテリアル関係

分光分析:核磁気共鳴(NMR、400, 600 MHz)、赤外分光分析計(FT-IR)、紫外可視分光分析計(UV)、蛍光分光分析計(FL)、
     旋光度計
質量分析:LC-MS、GC-MS、GC-MS/MS、DART-MS、ESI-MS、MALDI-MS
物性評価:接触角測定装置、表面張力測定装置
分離分析:高速液体クロマトグラフ(HPLC)、ガスクロマトグラフ


香粧品関係

性能評価:洗浄力試験機、接触角測定装置、生分解度測定装置
物性評価:表面張力測定装置、起泡力測定装置、ホモミキサー
成分分析:液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)


界面活性剤関係

界面特性試験: 表面張力測定装置、動的表面張力測定装置、動的光散乱光度計(粒度分布計)、ゼータ電位測定装置、接触角測定装置


油脂・石油類

クリーブランド開放式・ペンスキーマルテンス密閉式・セタ密閉式・タグ密閉式引火点測定装置・酸化安定性測定装置



※レオメーター(食品等の動的粘弾性測定装置)はライセンス制度で企業の研究者、技術者の方にご利用いただいています。

※走査型電子顕微鏡はライセンス制度で企業の研究者、技術者の方にご利用いただいています。

※ゼータ電位計(微粒子)はライセンス制度で企業の研究者、技術者の方にご利用いただいています。

※濃厚系粒径アナライザーはライセンス制度で企業の研究者、技術者の方にご利用いただいています。

※MALDI/TOFMSはライセンス制度で企業の研究者、技術者の方にご利用いただいています。