研究成果
研究テーマ一覧
蓄積疲労振動試験システムの開発
2006年~
研究成果
・二つの基本アイデアに基づき、六つの新機能を考案しました。
これにより、振動耐久性評価の精度が飛躍的に向上するものと考えられます。
二つの基本アイデア (特願2003-424895)
1.応答振動に基づく試験
2.蓄積疲労を指標とした試験
六つの新機能 (特願2006-116890)
1.複雑な輸送シナリオの表現
2.段積み輸送での蓄積疲労算出
3.市場許容破損確率の導入
4.試験条件の自動算出
5.非線形振動となる供試品の評価精度向上
6.異常自動検出機能
※2007/11 技術移転・実用化完了 ⇒ 蓄積疲労振動試験システム(IMV㈱)
有審査論文
・中嶋隆勝, 津田和城, 川田浩二, 山内佳門. 蓄積疲労評価型振動試験システムの提案. 日本包装学会誌, 一般論文. 16(1), 41-51(2007)
包装貨物内のガタが及ぼす振動耐久性への影響に関する研究
2002年~
研究成果
・被振動体にガタがある場合、入力振動のレベルが、ある限界値(限界入力加速度と呼称)を超えると、振動伝達率が急激に増大するという現象を発見し、この現象が振動耐久性評価精度を大幅に低下させることを明らかにしました。
有審査論文
・津田和城, 中嶋隆勝, 斎藤勝彦. ガタ振動をともなう包装品の振動耐久性に関する検討. 日本航海学会論文集. 117,111-117(2007)
・津田和城, 中嶋隆勝, 斎藤勝彦. 包装品の非線形ガタ振動に関する実験的検証. 日本包装学会誌,一般論文. 16(1),53-61(2007)
・津田和城, 中嶋隆勝, 斎藤勝彦. がたを有する被包装物の振動に関する実験的検討. 日本航海学会論文集. 114,201-207(2005)
・津田和城, 中嶋隆勝. がたを有する被包装物の振動に関する理論的検討. 日本包装学会誌,一般論文. 14(3),181-190(2005)
・津田和城, 中嶋隆勝. がたを有する被包装物の振動に関する数値的検討. 日本包装学会誌,一般論文. 14(1),35-47(2005)
製品の衝撃強さ評価に関する研究
1997年~
研究成果
・製品の衝撃強さを評価する際に現れる「奇妙な現象」を発見し、その実証・対策を行いました。
・考案した確率DBC評価法により、「市場クレームの非再現性」の存在を理論的に明らかにしました。
《製品衝撃強さ試験において問題となる現象》
「奇妙な現象」
奇妙な現象には、速度変化依存性、逆転現象、DBC(損傷境界曲線)交差現象があり、どれも一見奇妙に思えます。これらの現象は、理論・数値解析により見出され、実験によりその存在が確認されております。本現象が現れる製品については、試験担当者の予測を越える現象であるため、誤った衝撃強さ評価の原因となり注意が必要です。
- 速度変化依存性 : 衝撃パルスの速度変化によって、製品の許容加速度が変わってしまう現象。
- 逆転現象 : 衝撃パルスの加速度が大きいときに破損せず、逆に、小さいときに破損する現象。
- DBC交差現象 : 衝撃パルスによって、製品の破損する部位・部品が変わってしまう現象。
「市場クレームの非再現性」
市場クレームとして現れた製品の破損が、衝撃試験では再現されない現象のことです。
品質管理などを担当する方々には、過去に経験がある現象かもしれませんが、この現象が理論的にも明らかになり、確率DBC評価法によって予測可能となりました。
有審査論文
・中嶋隆勝, 斎藤勝彦, 寺岸義春. 「損傷境界曲線評価法」類型の考案および試験方法の体系化. 日本包装学会誌,一般論文. 11(4),217-229(2002)
・中嶋隆勝, 斎藤勝彦, 寺岸義春. 損傷境界曲線評価法の実験的検証. 日本包装学会誌,一般論文. 11(2),115-124(2002)
・中嶋隆勝, 斎藤勝彦, 寺岸義春. 新しい製品衝撃強さ評価試験方法の提案.日本機械学会論文集C編. 67,664,3924-3929(2001.12)
・中嶋隆勝, 斎藤勝彦, 寺岸義春. 確率論を導入した製品の損傷境界曲線評価法. 日本航海学会論文集. 105,63-70 (2001)
・中嶋隆勝, 斎藤勝彦, 寺岸義春. 製品衝撃強さ試験における問題点の実験的確認.日本機械学会論文集C編. 68,666,539-546(2002.2)
・中嶋隆勝, 斎藤勝彦, 久保雅義, 寺岸義春. 段積みされた製品の非線形モデルによる衝撃強さの検討. 日本包装学会誌,一般論文. 9(1), 33-46 (2001)
・中嶋隆勝, 斎藤勝彦, 久保雅義, 寺岸義春. 段積み・粘弾性支持された製品の線形モデルによる衝撃強さの検討. 日本包装学会誌,一般論文. 8(3), 123-134 (1999)
最適緩衝包装設計手法に関する研究
1992年~
研究成果
・多様な形状の製品に対しても、適用可能、かつ、コスト・厚さ・使用量などが最小化できる設計手法を開発しました。
有審査論文
・中嶋隆勝, 寺岸義春, 高田利夫, 野上良亮. 貨物落下に対する最適緩衝設計手法の応用 第3報:製品の重心位置が緩衝材の形状に及ぼす影響. 日本包装学会誌,一般論文. 4(4), 274-286 (1995)
・中嶋隆勝, 寺岸義春, 高田利夫, 野上良亮. 最適緩衝設計手法の応用 第2報:段差を有する製品への適用. 日本包装学会誌,一般論文. 4(2), 104-114 (1995)
・中嶋隆勝, 寺岸義春, 高田利夫, 野上良亮. 最適緩衝設計手法の応用 第1報:突起物を有する製品への適用. 日本包装学会誌,一般論文. 3(3), 141-151 (1994)
・中嶋隆勝, 寺岸義春, 高田利夫, 野上良亮. 包装用緩衝材の最適設計手法. 日本機械学会論文集C編. 59,558,624-628 (1993-2)
緩衝材の性能評価に関する研究
1991年~
研究成果
・発泡プラスチックのモデル化により、非線形圧縮特性・負荷履歴を明らかにしました。
・静的データと動的データを比較検討し、その粘性効果について明らかにしました。
有審査論文
・中嶋隆勝, 寺岸義春, 高田利夫, 野上良亮. 包装用緩衝材の動的及び静的特性評価. 日本包装学会誌,一般論文. 2(2), 85-95 (1993)
・中嶋隆勝, 野上良亮, 寺岸義春, 高田利夫. 発泡ポリエチレンの応力-ひずみ関係について. 日本材料学会誌,一般論文.41,460, 28-33(1992)