“人に優しく環境に調和したものづくり技術”を開発し、安全・安心で持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。毒性の無い素材から高性能材料を製造するための新規表面処理技術の開発、および高機能性合金めっきの開発に取り組んでいます。また微生物や酵素の潜在能力を探索・研究し、バイオ技術を利用してその能力を最大限引き出すことにより、バイオマス製品の生産や環境浄化等に関わる技術を開発しています。
担当者
・山中 勇人 総括研究員兼研究室長
・大本 貴士 主幹研究員
・野呂 美智雄 主幹研究員
・森芳 邦彦 主幹研究員
・駒 大輔 主任研究員
・大橋 博之 研究員
対応領域
めっき、塗装、電気・電子材料、建材、自動車部品、スズ系合金めっき、脱ニッケルめっき、はんだ付け、化学品、プラスチック、バイオリファイナリー、環境保全、遺伝子操作、発酵、酵素変換、生分解、抗菌、防かび
研究内容
トピックス
当研究室発の大阪技術研単独特許が成立しました
大腸菌の染色体DNAを改変し、芳香族アミノ酸であるフェニルアラニンとチロシンを高生産する菌株を開発しました(特許第7034496号)。開発した菌株は非常に高い対糖収率でフェニルアラニンとチロシンを生産します(プラスミドを用いていない従来菌株の3倍以上)。また、プラスミドを用いていないために培地への抗生物質の添加が不要であり、培養コストを大幅に低減することが可能です。
本菌株を宿主として用いることで、再生可能な糖質資源を原料として、多様な芳香族化合物を高生産することが可能となります。これまでに、企業との共同研究により、本菌株を利用したヒドロキシチロソール高生産菌の開発に成功しています(特許第7194950号)。開発した菌株は従来報告されていた菌株よりも10倍以上高い収量(約10g/L)でヒドロキシチロソールを発酵生産することが可能でした。現在、JST A-STEP産学連携(育成型)の支援を受け、30g/L以上の収量での生産を目指して研究開発に取り組んでいます。
バイオリファイナリー技術を利用したバイオマス由来芳香族化学品の生産
遺伝子組換え技術により、芳香族アミノ酸を効率よく生産する大腸菌を作製し、この大腸菌に種々の遺伝子を導入することにより、グルコースからヒドロキシチロソールやアミノ安息香酸などの多様な芳香族化合物を体系的に生産する技術を開発しています。
【連絡担当者:山中】
発酵・培養へのメタボロームアプローチ
発酵食品や培養菌液などの生物試料に含まれる代謝物(化合物)を一斉に分析し、含有量を相対比較すること(=メタボローム)で、その試料の特徴が明らかにできます。このメタボローム技術で得られる情報を基に、微生物により産生される有用物質の探索や菌株改良、食物残渣の利活用を目指しています。
【連絡担当者:山中】
脱ニッケルめっき処理技術の開発
従来のニッケルめっき下地層を不要とする新しい処理技術の開発、およびパラジウム-ニッケル合金めっきに代わるニッケルを用いない新しいスズ系合金めっきの開発を行っています。
【連絡担当者:野呂】
バイオマス糖化用アクセサリー酵素の作出
コンピューター解析や遺伝子工学的手法を活用し、既存の酵素に目的の機能を付与することにより、バイオマスの糖化に利用できる酵素を開発しています。
【連絡担当者:山中】
プラスチック類や環境汚染物質の微生物分解と、その利用技術の開発
プラスチック類(ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、ポリエステルなど)や、環境汚染の原因となる有害化合物(1,4-ジオキサン、ビスフェノールAなど)を分解する微生物を探索し、以下の技術開発を行っています。
1. 生分解機構の解明、2. 分解酵素の利用、3. 自然界での生分解性の評価、4. 排水処理への応用、5. 分解産物の有効利用
【連絡担当者:山中】
抗菌性の評価と抗菌材料の開発
製品の抗菌処理は、付加価値の高い製品づくりの手段として比較的取り組みやすい技術です。種々の抗菌性評価技術を利用して、安価で、安全・安心な製品開発に取り組んでいます。
【連絡担当者:山中】
耐熱性電子材料用めっきの開発
めっき界面に金属の拡散防止皮膜を形成することによって、粗雑な合金層の生成防止およびウィスカの発生抑制を達成し、新規な耐熱性電子材料用合金めっきを開発しています。また、スズ-銀はんだに対して、はんだ付け性をメニスコグラフ(動的濡れ性試験)で評価し、優れたはんだ付けも兼ね備えた皮膜を得るための開発を行っています。
【連絡担当者:野呂】