加工成形研究部 Kさんからのメッセージ
私は幼少時より工作が大好きで、大学では機械工学を専攻し、サークル活動でも機械加工に取り組んできました。そんな工作好きな私が就職活動する際に、大阪技術研では、機械加工や精密測定の分野があり、主に大阪府内のものづくり中小企業に対して技術的な支援を行う研究機関であることを知りました。このような環境下で、これまで私が培ってきた知識や技術を活かせることに魅力を感じ、入所することを決めました。
私は加工成形研究部で機械加工および精密測定を担当しています。これらはものづくりの基盤技術であり、多くの企業から技術相談や試験依頼が寄せられます。その中で代表的な業務は、切削加工試験の実施です。マシニングセンタやNC旋盤などの工作機械を用いて金属材料を切削する際に、切削工具刃先の摩耗量や加工時の抵抗力を測定し、ドリル・エンドミルのような切削工具や切削油剤の性能評価を行います。試験実施にあたっては、研究所を利用される工具メーカーや油剤メーカーの方と十分な打ち合わせを行い、「利用者(お客様)にとって最適な試験は何か」を判断した上で、試験内容をデザインしています。
また、5軸マシニングセンタを導入し、その普及啓蒙活動・技術向上にも取り組んでいます。この装置は工具の位置と傾きを制御し、複雑な形状加工や生産工程の効率化・高精度化が可能な最先端の加工機です。しかしながら、その複雑さ故に操作が難しく、中小企業への導入が遅れています。そこで、技術セミナーや実習型研修を通じた技術者育成に注力しています。また、より高度な加工法の研究開発にも取り組んでいます。これらの活動を通して、企業のものづくり力が向上していくことを目標としています。
ものづくりの現場に非常に近い位置で仕事ができることです。自身の業務内容が企業の製品開発や問題解決に直結している実感が得られます。また、大阪技術研では一人の研究員がプロセス全体に関わることができます。企業では分業制が一般的ですが、ここではテーマの立案、計画から実験、分析、資料の作成に至るまで一貫して担当します。様々なタスクをこなす必要はありますが、その分裁量も大きく、自分の意志で業務を進められることは大きな魅力だと感じています。
公設試は企業に役立つ技術を提供する機関であり、ものづくりの現場に近い位置で企業が抱える課題解決に取り組みつつ、技術シーズを生み出す研究にも取り組めます。大阪技術研を利用される企業は幅広く、利用者の様々な課題解決を手助けするためには、自身の専門以外の分野についても幅広い知識が必要となり、結果的に自身のスキル向上、視野拡大につながります。ものづくりに情熱を持ち、技術で社会に貢献したいと考えている方には、非常にやりがいのある職場だと思います。皆さんの挑戦をお待ちしています!
出勤後、メールチェックと1日のスケジュール確認
切削工具メーカーの装置使用に対応。マシニングセンタを使用し、ドリル加工の耐久試験を実施。装置の取り扱い方法を説明し、試験が軌道に乗るまで補助する
製品の寸法検査について、総合受付経由で電話相談。研究所が所有する測定機のうち、3Dスキャナによる測定を提案
研修用の資料作成。実験データの整理
朝から来所していた企業が試験終了。試験データを受け渡し、結果について話し合う。今後の進め方の相談に乗る
翌日のタスクとスケジュールを確認後、退勤