地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

文字の大きさ

ヘッダーメニュー
メニュー

文字の大きさ

2024年度日本材料学会複合材料部門奨励賞を受賞しました

物質・材料研究部 桑城 志帆 研究員が2024年度日本材料学会複合材料部門奨励賞を受賞しました

■受賞タイトル:ポリウレタンブレンドによるアクリル樹脂の強靭化および繊維強化複合材料への展開
■授与日:令和7年6月26日
■発行団体:公益社団法人日本材料学会 複合材部門委員会

【受賞業績の概要】
 本研究では、アクリルモノマーとウレタンプレポリマーを同時重合する手法を用いてポリマーブレンドを作製し、破壊靭性の著しい向上に成功しました。単一のアクリル樹脂(PMMA)には見られない100 nm程度のソフト相と数µm程度の球晶の存在により、外部応力が負荷された際、き裂近傍の球晶周りに応力集中が生じ、負荷方向に配向したフィブリルとボイドから成るクレーズが多数発生(マルチプルクレーズが発生)している様子が観察されました。更に、き裂の極近傍では、100 nm相の空洞化と変形がみられ、100 nm相周辺の領域が塑性変形したことも示されました。マルチプルクレーズの発生や塑性変形は破壊エネルギーを吸収する機構であり、き裂の進展を抑制します。また、重合前のアクリル/ウレタンブレンドを連続繊維に含浸・重合させるプロセスにより、100 nm相と数µmの球晶が形成されたアクリル/ウレタン複合材料の作製にも成功しました。複合材料とした場合でも、これらの構造は破壊挙動に大きな影響を与え、層間破壊抑制にも効果を与えました。
 これらの研究成果が顕著な業績として認められ、2024年度日本材料学会複合材料部門奨励賞を受賞しました。

本件 お問い合わせ先
・大阪産業技術研究所 物質・材料研究部 プラスチック成形工学研究室
 桑城 志帆 kuwashiro.shiho★orist.jp (★を「@」に替えてください)

ORISTチャンネルはこちら

インフォメーション

依頼試験、技術相談、相談内容で担当部署がわからない場合など、下記相談窓口へお尋ねください。

本部・和泉センター

本部・和泉センター・写真

(技術相談・総合受付)
0725-51-2525

9:00~12:15/13:00~17:30
(土日祝・年末年始を除く)


森之宮センター

森之宮センター・写真

(総合受付)
06-6963-8011

(技術相談)
06-6963-8181

9:00~12:15/13:00~17:30
(土日祝・年末年始を除く)