地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

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【論文掲載】共同研究成果(Wiley社発行「Advanced Energy Materials」)

環境技術研究部 丸山 純 先進炭素材料研究室長が責任著者として執筆した論文が、Wiley社発行で影響力の強い(インパクトファクター: 27.8)エネルギー関連材料の論文誌「Advanced Energy Materials」に掲載されました。

〇論文題目 
Elucidating the Active Sites and Synergies in Water Splitting on Manganese Oxide Nanosheets on Graphite Support
(黒鉛基材上のマンガン酸化物ナノシートでの水分解における触媒活性点ならびに相乗効果の解明)

〇執筆者および掲載論文
Thorsten O. Schmidt, André Wark, Richard W. Haid, Regina M. Kluge, Shinya Suzuki, Kazuhide Kamiya, Aliaksandr S. Bandarenka,* Jun Maruyama,* Egill Skúlason*
Advanced Energy Materials, 2023, 13, 2302039

〇共同研究先
ミュンヘン工科大学、アイスランド大学、東京大学、大阪大学

〇概要
自然界では光科学系IIと呼ばれるタンパク質が光合成における酸素発生(OER)を担っています。そのタンパク質中にはマンガン酸化物クラスターがあり水分解の触媒活性点になっています。一方、効率の良い人工の触媒はコストの高い貴金属がベースの酸化物です。気候変動抑制への貢献を考えると、入手が容易で大量に得られるエネルギー変換反応のための電気化学触媒の開発が重要です。本研究では、マンガン酸化物のナノシートを合成し、高配向性熱分解黒鉛に担持して(MnO2-NS/HOPG)、生物学的触媒を模擬した上で酸素発生反応を調べ、自然界のように貴金属を使用しない、かつ効率的な酸素発生反応触媒設計の指針を得ることを目指しました。電気化学的ノイズ走査型トンネル顕微鏡(EC-STM)という最新の技術と、第一原理計算(DFT)によるシミュレーションによって、OERはナノシートエッジで優先的に進行することが明らかになり、その反応機構を解明しました。この成果をまとめた論文が学術誌Advanced Energy Materialsに掲載されました。

論文はこちら:https://doi.org/10.1002/aenm.202302039

問い合わせ先
大阪産業技術研究所 環境技術研究部 先進炭素材料研究室
丸山 純 maruyama★orist.jp (★を@に替えてください)

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