地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

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【論文掲載および表紙選出】共同研究成果(英国王立化学会発行「Nanoscale」)

環境技術研究部 丸山 純 先進炭素材料研究室長が主著者として執筆した論文が、英国王立化学会(RSC)発行の論文誌「Nanoscale」に掲載され、内容を反映した図案が掲載号の表紙に採用されました。

〇論文題目 
Preferred catalysis distinctly determined by metals doped with nitrogen in three-dimensionally ordered porous carbon materials
(3次元規則性多孔質炭素材料に窒素とともに添加された金属種によって決定される触媒能)

〇執筆者および掲載論文
Jun Maruyama,* Hirohumi Sato, Yuko Takao, Shohei Maruyama, Shintaro Kato, Kazuhide Kamiya, Koki Chida, Takeharu Yoshii, Hirotomo Nishihara, Fumito Tani
Nanoscale, 2023, 15, 9954-9963

〇共同研究先
大阪大学、東北大学、九州大学

〇概要
3次元的に規則性細孔構造を有する炭素材料は、細孔が理想的に配置されているので効果的に機能し、電極材料として有望です。また、金属イオンを窒素とともに炭素材料中に添加すると、再生可能エネルギーの活用に有効な種々のエネルギー変換反応に対する触媒能が付与されます。これまで、この二つの性質を両立する炭素材料の作製には有害な試薬やガスを使用する必要がありました。本研究では、新たな有機化合物を合成することによりその問題を克服し、さらに鉄、コバルト、ニッケルなどの金属イオンを効率的に添加することに成功しました。また、この金属イオン種によって得意な電気化学反応が決定されることを明らかにしました。この成果をまとめた論文が学術誌Nanoscaleに掲載され、下のような図案が掲載号の表紙になっています。図案では、規則的な細孔構造を有する炭素材料を下地に、周期表を模したプレートを、窒素を表した4つのピンで固定している様子を表現し、各金属で優先的に進行する酸素還元、水素発生、二酸化炭素還元反応も描いています。

論文はこちら:https://doi.org/10.1039/D3NR01359F

表紙はこちら:https://doi.org/10.1039/D3NR90110F

問い合わせ先
大阪産業技術研究所 環境技術研究部 先進炭素材料研究室
丸山 純 maruyama★orist.jp (★を@に替えてください)

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