(一社)近畿化学協会 2021年度 第22回環境技術賞を受賞しました
生物・生活材料研究部 川野 真太郎 主任研究員が
(一社)近畿化学協会 2021年度 第22回環境技術賞を受賞しました
受賞タイトル: 「環境調和型プロセスによる大気安定n型熱電変換膜の開発」
授与日: 令和4年5月27日
共同研究: 大阪工業大学工学部応用化学科 村田 理尚 准教授との共同研究
【受賞業績の概要】
未利用の排熱から発電する熱電発電技術に関する熱電変換素子のn型有機半導体材料として、大気安定性の高いニッケル含有共役化合物が有望であるものの、全く溶媒に溶解しないため、塗布法によるデバイス製造への展開ができず、開発の進行が遅れていました。大阪工業大学工学部応用化学科 村田理尚 准教授との共同研究によって、水分散液にエチレングリコールを添加剤として加える独自の環境調和型の手法により凝集状態を制御することで、熱電膜性能の従来法と比較して1.5倍の高い性能を有する有機系n型熱電フィルムの開発に成功しました。
本業績が高く評価され、一般社団法人近畿化学協会 2021年度 第22回環境技術賞を連名で受賞し、表彰されました。
多様な形状に貼り付けて利用する柔らかい熱電変換素子として、排熱エネルギーから発電する技術は、人々の生活と地球環境に共存していく優しい技術です。将来のIoT社会において、環境発電技術の実用化への貢献が期待されます。
ニッケルと硫黄を含む有機化合物の構造(炭素: 灰色, 硫黄: 黄色, ニッケル: 青色).
(a)ニッケル共役化合物の水分散液, (b)ガラス基板上 (c)PET基板上に製膜したn型熱電フィルムの写真
受賞業績についての詳細は 掲載論文 および 2020年7月9日付プレスリリース
本件 お問合せ先
・大阪産業技術研究所 生物・生活材料研究部 界面活性剤研究室
川野真太郎 skawano★orist.jp (★を「@」に替えてください)