◆報道発表日:令和6年8月30日
6Gやその先の大容量通信に向けたブレイクスルー
―「偏波」の制御で小型デバイスのテラヘルツ通信容量を倍に!―
【研究成果のポイント】
◆テラヘルツ波の偏波という性質に着目し、小型デバイスで経路を制御できる技術を開発
◆有効媒質と空隙構造の利用で100ギガヘルツ以上の広い帯域幅を実現
◆6Gおよび未来の情報通信技術の発展に寄与
【研究概要】
大阪大学大学院基礎工学研究科の冨士田誠之准教授、永妻忠夫教授(研究当時、現:大阪大学産業科学研究所 特任教授)、Weijie Gao(ウエイジエ ガオ)特任研究員(常勤)らは、オーストラリア アデレード大学のWithawat Withayachumnankul(ウィザワット ウィザヤチュムナンクル)教授(大阪大学大学院基礎工学研究科招へい教員を兼務)、Christophe Fumeaux(クリストフ フュモー)教授(研究当時、現:オーストラリア クイーンズランド大学 教授)、大阪産業技術研究所の村上修一電子デバイス研究室長と共同で、テラヘルツ波の偏波を100ギガヘルツ(0.1テラヘルツ)以上の広帯域幅で経路を制御し、多重化・分離できる小型デバイス(図1)の開発に成功しました。
図1:開発した小型テラヘルツ偏波多重化分離デバイスの写真
【本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)】
周波数資源を有効利用しながら、小型デバイスでテラヘルツ無線の伝送容量を倍、あるいは双方向通信を可能とする本研究成果の技術は、大容量無線通信デバイスシステムの偏在化や通信とセンシングとが高度に融合するような6Gおよびその未来の情報通信技術の発展に寄与することが期待されます。すなわち、テラヘルツ波が携帯端末やセキュリテイ、ヘルスケア、遠隔検査・操作、ドローン、ロボット、自動運転、空飛ぶ車、航空宇宙応用など、様々なシーンにおいて実装され、現実世界にて、ワイヤレスでセンシングし、通信した大容量の情報を人工知能で処理し、現実世界にワイヤレスでフィードバックさせるような現実世界と仮想空間とを高度に融合させた、いわゆるサイバーフィジカルシステムの実現に寄与することが期待されます。
◆報道提供資料
◆英語版リリース
〇EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/1056084
〇Asia Research News
https://www.asiaresearchnews.com/content/silicon-chip-propels-6g-communications-forward
◆問合せ先
大阪産業技術研究所
法人経営本部 松永(和泉センター 企画部)
TEL:0725-51-2511