◆報道発表日:令和3年4月27日
■地方独立行政法人大阪産業技術研究所 和泉センター内に「3D造形技術イノベーションセンター」を令和3年4月に開設しました。当3Dセンターは、金属3Dプリンタを活用したものづくりの普及を目指し、設計技術から材料・造形技術に至るまで一気通貫の研究開発を支援します。
設備は、レーザおよび電子ビームを熱源とした粉末床溶融結合(パウダーベッド)方式や指向性エネルギー堆積(デポジション)方式の金属3Dプリンタを計4台保有しています。また、造形物の高機能化につながるトポロジー最適化設計や、造形不良を回避できる熱変形シミュレーションといった、実際の造形前に設計・解析できるソフトウェアも取り揃えています。
当3Dセンターは、これらの装置およびソフトウェアを駆使して、材料・造形技術、設計・解析技術、特性評価技術など各要素技術の研究開発を一貫して支援できる国内随一の拠点となります。企業、大学、研究機関など利用者の皆さまには、製品開発、試作のスピードアップ、製品の高度化など、専門研究員からの技術支援やアドバイスのもと、研究開発を推進していただけます。
■所有する金属3Dプリンタの種類と特徴
当3Dセンターでは、それぞれ方式の異なる4台の金属3Dプリンタをご利用いただけます。
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装置名(当3Dセンターにおける呼称) |
メーカー |
熱源 |
特徴 |
1 |
電子ビーム積層造形装置 2021年4月導入 |
三菱電機 |
電子ビーム |
高出力の電子ビームを熱源とするため、高反射率、高融点材料の造形が可能。 |
2 |
パウダーデポジション方式複合造形装置 2021年4月導入 |
三菱重工 工作機械 |
レーザ |
少量の粉末から肉盛り造形できる。切削による同一機内での仕上げ加工が可能。 |
3 |
金属粉末積層造形装置 |
EOS |
レーザ |
装置の汎用性は高く、造形できる金属材料のラインアップが豊富。 |
4 |
微粉末積層造形装置 |
3D SYSTEMS |
レーザ |
ローラーで粉末を積層するため、流動しにくい微粉末を用いた造形が可能。 |
■総合的な技術支援
近年、全国の公設試験研究機関では金属3Dプリンタを導入する動きが活発化しております。大阪産業技術研究所は1999年に全国に先駆けて金属3Dプリンタを導入し、受託加工や装置使用への対応業務はもちろんのこと、独自の研究開発を進めることで金属3D造形に関する技術力の向上を図ってきました。そのため、装置を所有するに留まらず、金属3D造形向けの粉末材料の開発、金属3D造形の製造性を考慮したトポロジー最適化設計法の開発など様々な研究シーズの提供や、各種シミュレーションの活用、専門研究員の経験やノウハウに基づくアドバイスなど、総合的に支援できる強みを有しています。
◆問合せ先
大阪産業技術研究所 和泉センター
経営企画部本部 経営企画部 松永
TEL:0725-51-2511