地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

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日本材料学会 論文賞

      
受賞者 左藤 眞市
授与者 公益社団法人日本材料学会
受賞日 平成30年5月26日
受賞対象テーマ アルカリ環境下における鉄系腐食生成物の生成プロセスおよびコンクリート中における鉄筋の腐食環境

概要


コンクリート構造物中の鉄筋が腐食すると、腐食生成物の体積が元の鉄筋の体積よりも大きいため、かぶりコンクリートに膨張圧が作用し、ひび割れが生じる。このひび割れを通じて水分や酸素などの物質が供給されると鉄筋の腐食はさらに加速され、最終的にかぶりの剥落や耐荷力の低下に繋がることが知られている。
鉄筋腐食を抑制するためには、そのメカニズムを十分に把握しておくことが重要であり、塩化物イオンの侵入やPHの低下の程度などの腐食条件と腐食形態との相関に関する知見が得られつつある。一方で、コンクリート構造物が置かれる環境は様々であり、環境の違いが腐食生成物に与える影響までを捉えた研究は少なく、このプロセスに関する一般化できる知見が得られれば、様々な環境下のコンクリート構造物の診断や劣化予測の高度化が期待できる。
本論文は、コンクリート中を想定したアルカリ環境下における鋼材の腐食生成物の種類と生成プロセスについて、実験的に検討したものである。腐食による生成物が腐食の進行に与える影響について、実構造物の調査も含めて緻密な検討が行われている。コンクリート工学分野でこれまで用いられてこなかったラマン分光分析を活用するなど、独創性、新規性もあり、また先述のとおり実構造物の腐食環境評価にも繋がる結果も得られており、工学的な有用性も高く、今後のコンクリート構造物の診断および劣化機構のモデル化に対して大きく寄与するものである。


      

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