地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

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若手研究者・院生による研究発表会ベストポスター賞

      
受賞者 田中 努
授与者 社団法人 軽金属学会関西支部
受賞日 平成21年1月7日
受賞対象テーマ SS400と5083アルミニウム合金の異種金属摩擦攪拌接合

概要


本発表は摩擦攪拌接合装置を用いて、一般鋼(SS400)と構造用ア ルミニウム合金であるAl-Mg系合金(5083)を接合し、その接合特性について研究して得られた結果である。摩擦攪拌接合とは、通常の溶融溶接とは異 なり、先端にプローブと呼ばれるピンを有する円柱状の工具を回転させ、プローブをワークに圧入することで工具とワークの摩擦熱およびプローブの材料攪拌を 利用して接合する技術である。このような原理のため、従来よりも低い温度での接合が可能となり、施工後のそりなどの軽減、高品質化、省エネルギー・省コス ト化、作業環境改善等の利点を持っている。これまで、鉄鋼とアルミニウムの接合では、接合中に両者が反応し、接合界面に非常に弱い組織が生成してしまうこ とが問題となっていた。この生成過程には接合温度が強く影響していると考えられるため、低温接合が可能な摩擦攪拌接合を用いて高品質な鉄鋼とアルミニウム 合金の異種金属接合を作製することを目的としている。研究の結果、接合条件を最適化することによって鉄鋼と強度の高い構造用アルミニウム合金との接合でも 接合界面で破断することのない継手材を作製することができた。また、種々のアルミニウム合金の中で、同じ接合条件でも弱い組織が生成しにくい合金種がある こともわかった。これは、熱伝導率等の熱的物性値が高い、つまり接合中の熱が拡散しやすいためであると考えられ、接合には材料の熱的物性を考慮する必要が あることが示唆された。


      

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