取得学位 | 博士(工学) |
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取得者 | 濱田 真行 |
取得大学 | 大阪府立大学 |
取得日 | 平成27年9月25日 |
Sn-3Ag-0.5Cu 合金は鉛フリーはんだ合金として普及しているが、低価格化を目的としてAg含有量の低下が求められている。この有力候補としてSn-1Ag-0.7Cu 合金が検討されているが、その熱疲労特性はSn-3Ag-0.5Cu合金に比べ劣るため実用上の問題となっていた。本研究では、Sn-Ag-Cu-X 4元系合金に適用可能な高温変形構成式を新たに構築し、構成式を活用した合金設計により、高温での流動応力がSn-3Ag-0.5Cu合金より高いSn-Ag-Cu-Zn 4元系はんだ合金の組成を決定した。さらに実装基板を用いた熱衝撃試験により、新たに開発したはんだ合金はSn-3Ag-0.5Cu合金よりも熱疲労特性に優れることも明らかにした。
本論文で示される構成式を活用したはんだ合金の設計手法は、Ag含有量が1mass%以下の組成にも適用可能であることから、今後はよりAg含有量を低下させたはんだ合金の開発も期待される。