地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

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3Dスキャナ利用ガイド

3Dスキャナ利用ガイド

~立体形状の3Dデータ化・寸法測定・CADとの比較~
(地独)大阪産業技術研究所

3Dスキャナとは

装置の概要

3Dスキャナは、測定物の立体形状をデジタルデータ化する装置です。測定原理は機種によって異なりますが、当研究所の3Dスキャナ(3次元スキャン装置:A9277)は、測定物に投影した縞状パターン光をカメラで撮影し、画像解析することで形状測定を行います。

一度の撮影ではカメラに映る部分の形状しか取得できないため、全方向から撮影を行って合成し、測定物全体の形状を3次元ポリゴンデータ(STL形式)として出力します。3次元ポリゴンデータ(STL形式)は、3次元空間上の点を結ぶ無数の三角形の集合体として表され、専用の測定ソフトウェアを用いて、寸法の測定や形状の検査が可能です。

装置外観

測定の様子

主な用途

測定物の形状を3次元ポリゴンデータ化し、リバースエンジニアリングや3Dプリンタの造形データに利用できます。また、専用のソフトウェアで読み込むことで、寸法や幾何公差の測定や、CADデータとの形状比較が可能です。

製品形状のデータ化

  • 図面の存在しない部品や工芸品のデジタルデータ化
  • リバースエンジニアリング
  • 3D プリンタの造形データ作成

製品の検査

  • 寸法の測定
  • 形状をCAD データと比較

当研究所保有の3Dスキャナについて

GOM社 ATOS CORE(機器番号A9277)

LEDプロジェクターから投影したパターン光を2個のカメラで撮影して形状測定を行います。プロジェクターとカメラはセンサヘッドとして一体化されており、測定物の大きさや必要な解像度によって、最適なセンサヘッドを選択します。

センサヘッド

一度に測定できる範囲

解像度

ATOS Core 80

80×60mm 焦点深度60mm

0.03mm

ATOS Core 200

200×150mm 焦点深度150mm

0.08mm

ATOS Core 300

300×230mm 焦点深度230mm

0.12mm

※測定精度に関して:センサヘッド単体の測定精度は0.01~0.03mmですが、測定物の表面性状や色調によって測定値が変わるうえ、撮影データ合成時の貼り合わせ誤差、ノイズ除去処理等でも精度が悪化します。生成した3次元ポリゴンデータの精度は、0.05~0.1mm程度を目安にしてください。

回転テーブル

測定時の作業効率を高めるため、モーターで回転するテーブルを使用します。旋回と回転が可能な2軸回転テーブルと、大型の測定物に対応する自動回転テーブルの2種類から選択できます。

テーブル

2軸回転テーブル

自動回転テーブル

テーブル直径

Φ300mm

Φ480mm

耐荷重

5kg

100kg

動作範囲

回転360度

傾き±115度

回転360度

3Dスキャナ測定

測定可否の判断

当所の3Dスキャナは、縞状の投影光をカメラで撮影する測定原理上、透明な素材や光沢面は測定できないため、事前に測定の可否を判断した上で、金属、ガラス、つやのあるプラスチックや塗装面などに対しては、必要に応じて反射防止のスプレーを塗布する必要があります(測定後拭き取りや水洗いで簡単に除去できます)。

また、測定光が散乱する鋭角なエッジや、カメラで覗き込みにくい深穴・深溝といった部分は形状データが欠損します。 目安として、穴径未満の深さであれば測定が可能です。

測定の難しい素材

反射防止スプレーの塗布

測定手順

1. マーカーシール貼り付け

スキャンデータを合成する際、大まかな位置合わせに使用するマーカーシールを貼り付けます。

2. 反射防止スプレー塗布

測定物表面が光沢のある場合、あるいは透明な場合、反射防止スプレーを塗布します。 スプレーは探傷剤の現像スプレー、制汗剤、PTFE、または酸化チタン粉末などを使用します。膜厚は最大50μmほどです。

3. 3Dスキャン

回転テーブルを使用して全方向から撮影を行います。

4. スキャンデータ統合とSTL化

各方向から撮影したスキャンデータを統合し、誤差やノイズを低減する処理を行った後にポリゴンデータ(STL形式)として出力します。

データの利用

データ形式について

3Dスキャナで測定した結果は、無数の三角形の集合として表現された3次元ポリゴンデータ(STL形式)として出力されます。3Dスキャナから出力された段階ではデータ欠損やノイズが含まれ、データサイズも非常に大きいため、専用ソフトウェアを使用して欠損やノイズを修正し、必要に応じてデータ数の間引き処理を行います。次項で説明する寸法測定は3次元ポリゴンデータの状態で可能ですが、市販の3D CADソフトで読み込みたい場合には、リバースエンジニアリングソフトを使用して、STEP, IGES, ParasolidといったCADデータに変換する必要があります。

3次元ポリゴンデータ(STL)

細かな三角形の集合として表現され、専用のソフトウェアで形状の修正や寸法測定が可能ですが、CADソフトでの編集は困難です。

CADモデル…自動面貼り

3次元ポリゴンデータの表面に沿うように、NURBS曲面をパッチワーク状につなぎ合わせたCADモデルです。STEP, IGES, Parasolid等の形式で出力でき、3DCADソフトで読み込めます。

CADモデル…パラメトリックモデル

3次元ポリゴンデータの寸法を参考にしてほぼゼロからモデリングしたデータです。作り込めば寸法編集も可能なCADデータが得られますが、作業時間とCADモデリングの技術が必要です。
また、モデリングの過程で細かな形状を簡略化するため、精度が悪化します。

寸法の測定

3Dスキャナ測定に使用するATOS Professionalソフトウェアには検査機能もあり、3次元ポリゴンデータに対して寸法や幾何公差の測定が行えます。

フィッティング要素

平面や円筒といった要素を3次元ポリゴンデータにフィットさせ、要素の直径や距離、角度などを測定できます。

断面線の作成

ポリゴンデータを任意の面で切断し、断面線を作成します。断面線に対して円や直線をフィッティングし、寸法や幾何公差を測定することも可能です。また、断面線は点群として出力できます。

設計CADモデルとの比較

ATOS Professionalソフトウェアに設計CADデータを読み込み、製品の3次元ポリゴンデータと比較が行えます。表面偏差や断面偏差はカラーマップ表示で視覚的に把握できます。また、フィッティング要素を作成し、設計値と実測値の寸法比較を行うことも可能です。

表面偏差

測定したデータとCADファイルの表面の偏差を計算し、カラーマップで表示できます。

断面偏差

任意の断面について、測定データとCADの比較が可能です。

測定のご相談

費用について

3Dスキャナの利用には一定の習熟を要するため、測定のご希望に対しては主に依頼試験にて対応しています。装置使用も行っておりますが、こちらは機器やソフトウェアの取り扱いができる方を対象としております。

依頼試験

試験名

試験コード

内容

料金

3次元スキャン

B226

測定物の3Dスキャンと
STLデータ出力

14200円
+8600円/条件

試験データの解析

N101

寸法測定やCADとの
形状比較、CAD化など

2900円(最初の30分)
+2500円/30分毎

装置使用

機器名称

機器番号

内容

料金

3次元スキャン装置

A9277

3Dスキャナとソフトウェア
の利用料金

3600円/時間

3次元スキャンデータ
処理ソフト

A9278

ソフトウェアのみ利用する
場合の料金

1000円/時間

※職員が操作説明を行う場合、指導調整料2500円/30分

※3Dスキャナや3D CADソフトに熟練した方を対象としています

3Dスキャナ測定に関するご相談

3Dスキャナのご利用にあたっては事前の打ち合わせが必要です。
測定をご希望の場合は、まずは以下の連絡先にご相談お願いします。

電話相談

(地独)大阪産業技術研究所 和泉センター

TEL 0725-51-2585(総合受付)

インターネット技術相談

http://tri-osaka.jp/tri24c.html