【論文掲載 inside cover選出】共同研究成果 (アメリカ化学会発行「ACS Materials Letters」)
生物・生活材料研究部 川野真太郎 主任研究員が責任著者として執筆した論文が、材料科学分野において評価の高い速報誌であるアメリカ化学会(ACS)発行の論文誌「ACS Materials Letters」に掲載され、その図案がinside coverに採用されました。
〇論文題目
“Enhanced White-Light Emission from a Water-Based Coating Film via Photocycloaddition Crosslinking in a Clusteroluminescence Polymer”
(クラスター発光ポリマーにおける光付加環化架橋を介した水性コーティング膜の白色発光増強)
〇執筆者および掲載論文
Shintaro Kawano*, Takumi Ida, Masahiro Muraoka, Motohiro Shizuma
ACS Materials Lett. 2025, 7, 3868−3875.
〇共同研究先
大阪工業大学
〇概要
非共役化合物(注1)に、ヘテロ元素(注2)を含む特定機能部位(共役ユニットなど)を導入した高分子が、凝集状態において近接する分子間の空間的な相互作用を形成することで蛍光を示す「クラスター発光(CL)高分子」が注目されています。我々は、CL高分子に加工性・耐久性を付与した固体膜における可視光領域の発光特性を実現するため、共役ユニットである「クマリン」の蛍光特性に着目しました。クマリンは紫外線の照射で光環化二量体(注3)を形成しますが、二量体を形成すると一般的に蛍光強度が減少することが知られています。我々は、クマリンを高分子鎖に化学修飾することで、青色蛍光を示す新たなCL高分子を合成しました。このCL高分子が水中に分散している状態で紫外線を照射し、高分子内(または高分子間)でのクマリン光環化二量化反応を利用して“架橋”することで、塗布型の固体膜が得られることが分かりました。また、単体で存在するクマリンの場合とは異なり、二量化されたクマリンの存在により高い量子収率を有する強い白色発光の発現に成功しました(左図)。本技術は、環境に優しい水性プロセスに加え、外部光応答性の架橋を利用した初の白色発光塗膜の報告例であり、白色有機EL(エレクトロルミネッセンス)や、外部刺激応答性のセンサー材料への応用が期待されます。本成果をまとめた論文は学術誌「ACS Materials Lett.」に掲載されました。採用された図案(右図)では、光環化二量化で架橋して形成された塗膜が白色発光する様子を表現しています。
(注2) ヘテロ元素:有機化学の分野で、炭素(C)と水素(H)以外の元素 (例えば、酸素(O)や窒素(N)など)に置き換わったもの。
(注3) 光環化二量化:特定の波長の光を当てることで、隣り合う2つの分子が結合する化学反応。ここでは、分子同士を「橋渡し」して固定化する役割。

論文はこちら
(リンク)https://doi.org/10.1021/acsmaterialslett.5c01237
*オープンアクセスジャーナルです
表紙へのリンクとダウンロードはこちら
(リンク)https://pubs.acs.org/cms/10.1021/amlcef.2025.7.issue-12/asset/amlcef.2025.7.issue-12.xlargecover-2.jpg
本件 お問合せ先
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