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2024年度日本接着学会奨励賞を受賞しました

物質・材料研究部 桑城 志帆 研究員が2024年度日本接着学会奨励賞を受賞しました

■受賞タイトル:炭素繊維強化メタクリルポリマー複合材料の界面・物性設計
■授与日:令和7年6月30日
■発行団体:一般社団法人日本接着学会

【受賞業績の概要】
 本研究では、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のマトリックスポリマーの主成分としてポリメチルメタクリレート(PMMA)に着目しました。PMMAはモノマー状態で低粘度で繊維間隙に含浸可能であり、ラジカル重合により容易にポリマー化できます。桑城研究員は、このモノマー含浸法により、ボイドレスな連続炭素繊維織物/メタクリルポリマーCFRPを作製しました。しかし、CF/PMMA複合材はCFRPとしては強度が低く、界面接着性の改善が課題でした。そこで、MMAと官能性モノマーを共重合したところCF/メタクリルポリマーの界面接着性が向上し、曲げ強度を2倍以上に改善するのみならず、曲げ疲労寿命を10000倍に向上させることにも成功しました。加えて、官能性モノマーと金属塩の選択によるイオン架橋の導入や、ウレタンプレポリマーのブレンド後の同時重合による新規ポリマーブレンドマトリックスを創製し、CFRPの耐久性(疲労特性・耐溶剤性・破壊靭性)向上に成功しました。このように、マトリックスポリマーの一次化学構造および高次構造の制御により、CF/ポリマー界面接着強度を向上し複合材全体のマクロ変形・破壊機構を変化させると、き裂進展の抑制、強靭化、耐疲労性に著しい効果が得られることを、CF/メタクリルポリマー複合材をモデル材料として証明しました。
 これらの研究成果は、複合材料界面設計の重要性とその具体的指針を示したものであり、接着界面研究の発展に大きく貢献するものとして認められ、2024年度日本接着学会奨励賞を受賞しました。



 

本件 お問い合わせ先
・大阪産業技術研究所 物質・材料研究部 プラスチック成形工学研究室
 桑城 志帆 kuwashiro.shiho★orist.jp (★を「@」に替えてください)

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