内容技術開発
分野無機材料、金属材料
自動車の特にエンジンルーム内に搭載される電子機器は、非常に厳しい環境下で使用されるため、実装接合部には高い耐熱性が必要です。そのため、現状の実装技術では鉛を高濃度に含む高温はんだ(Pb-5Sn、Pb-15Sn 等)が用いられています。
一方、ハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)にはインバータ等のパワーデバイスが搭載されています。近年、低損失で200℃以上の高温度でも作動が可能なSiC パワーデバイスが注目されていますが、その実用化のためには、SiC デバイスと基板の接合部において高い耐熱性が要求されます。
そこで、金属ナノ粒子の低温焼結性を利用した接合用途の金属ナノ粒子ペーストを開発しました。金属ナノ粒子ペーストを用いると300℃以下の低温で接合ができ、接合後は接合部が高融点化することから、低温接合と高い耐熱性を兼ね備える接合が可能です。これまでに、銀ナノ粒子ペーストによる無加圧接合、銅ナノ粒子ペーストによる接合、銀ナノ粒子・銅ナノ粒子混合ペーストによる無加圧接合を実現しました。