地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

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環境負荷を低減する塗装下地用金属表面処理剤

環境負荷を低減する塗装下地用金属表面処理剤

内容技術開発

分野無機材料、めっき、金属材料

自動車の塗装部材には、耐食性と塗装密着性を確保するための金属下地処理として、リン酸亜鉛処理といわれる化成処理が施されています。この処理は亜鉛などの重金属成分やリンなどを含んだ処理液を使用するプロセスであり、廃棄処理液や大量に発生するスラッジが環境に負荷を与えています。そのため、これに代わる新しい塗装下地処理技術が切望されています。
本研究所では、貴和化学薬品株式会社と経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業において、皮膜特性と環境性能を両立した塗装下地用化成処理技術の開発を行いました。プロジェクトでは、処理薬剤の添加剤成分、濃度、pHなどを最適化する検討を重ねた結果、ジルコニウムを主成分とし、重金属やリンなどの環境負荷物質を含まない金属表面処理剤の開発に成功しました。
本処理薬剤では、重金属ではない、ある種の金属成分の添加が皮膜成長を促進するとともに、有機酸の微量添加が析出結晶の微細化に効果を発揮します。これらの添加剤の効果によって、皮膜性能の向上と環境負荷低減を同時に達成しました。従来のリン酸亜鉛処理法で作製した皮膜はミクロンオーダーであるのに対し、開発したジルコニウム系皮膜は50ナノメートル程度の薄膜であるにもかかわらず、従来と同等の耐食性・塗装密着性を実現することができました。さらに、従来法と比較し、発生するスラッジ量を95%以上削減することに成功しました。現在は、本事業で導入した処理ラインを活用して長期操業試験を実施し、実用化に向けた取り組みを行っています。

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  • 小林靖之 06-6963-8087

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