内容技術開発
分野金属材料、複合材料
パルス通電圧接法(PCHP)を用いてTi/金属間化合物積層型複合材料を作製し、出発原料である箔の厚さとプロセス中の恒温保持温度が複合材料の組織と機械的性質に及ぼす影響を検討した結果、以下のことが明らかとなった。
- 厚さ0.04mmのTi泊と厚さ0.012mmのAl箔を積層したプリフォ―ムから恒温保持温度1173Kで作製した複合材料中に形成される強化層は、Al3Ti層、Al-richのAl-Ti合金層、TiAl層、および、Ti3Al層から成る多層組織を有していた。恒温保持温度の上昇と共に強化層の構造は変化し、1273KではAl3Ti層が消失し、1373Kでは強化層そのものが消失した。
- 厚さ0.04mmのTi泊と厚さ0.024mmのAl箔から恒温保持温度1173Kで作製した複合材料中の強化層も0.012mmのAl箔を用いた場合とほぼ同様の多層構造であった。1273Kでは強化層を構成する層の種類は変わらず、厚さのみが変化した。また、1373Kでは、強化層はTiAl合金単相となり、他の層は消失した。
- 最高の機械的性質は厚さ0.04mmのTi箔と厚さ0.012mmのAl箔を恒温保持温度1273Kでパルス通電圧接した場合に得られ、引張強度は810MPa、伸びは3.64%に達した。
- 恒温保持温度1273Kまでの範囲で作製した複合材料では、引張変形時に強化層内で発生した亀裂に対するTiマトリックスの亀裂進展抑制効果が確認された。