受賞者 | 津田 和城 |
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授与者 | 日本包装学会 |
受賞日 | 平成27年7月3日 |
受賞対象テーマ | 被包装物のがた振動特性および蓄積疲労スペクトル評価に関する研究 |
輸送中のトラブルを防止するために、出荷前に包装貨物の振動試験が行われている。しかし現在の試験精度は十分とは言えず、トラブルを完全に防止できていない。試験条件の適正化を図るために、これまでに著者らは内容品と緩衝材の間の隙間(がた)が内容品の振動に及ぼす影響を調べた。その結果、ある加振条件で内容品の飛び跳ねが起き、内容品の加速度が急激に増大することを明らかにした。このことから、内容品の疲労を正確に評価するには、貨物の振動ではなく内容品の振動に注目すべきであることを指摘した。
一方、これまでの疲労評価法では、振動数ごとに疲労評価を行うことができなかった。そこで、新たに考案された蓄積疲労スペクトルを用いて、内容品の疲労評価を行った。その結果、振動数ごとの疲労値が明らかになるだけでなく、輸送と等価な試験条件の導出および輸送環境の分析などにも本スペクトルが活用できることを示した。以上の取り組みは、試験条件の適正化につながり、トラブルの減少及び過剰梱包の削減が期待できる。