スマートプロセス学会 Best Review Paper賞
受賞者 |
中本 貴之,⽊村 貴広,三⽊ 隆⽣,⾚井 亮太,北川 貴弘,南 久 |
授与者 |
一般社団法人スマートプロセス学会 |
受賞日 |
令和2年11月27日
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受賞対象テーマ |
アルミニウム合金造形体の特性制御とトポロジー最適化を活用した構想設計
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概要
本解説は、アルミニウム合金を用いた積層造形技術に関する研究開発の一例と、トポロジー最適化による構想設計手法の詳細、およびその手法のもとで設計した部品の金属積層造形による試作事例について分かり易く解説している。 はじめに筆者らが取り組んできたアルミニウム合金を用いた積層造形技術に関する研究開発を取り上げ、アルミニウム合金造形体の組織形態がSi含有量によって大きく変化し、Siの増加量にともなって造形体の強度が大きく向上することを実験データで示すことで、分かり易く解説している。 さらにアルミニウム合金造形体の機械的性質を熱処理により制御できることを示している。次に、トポロジー最適化による構想設計手法を取り入れた部品作製について紹介している。 具体的な部品として、航空機エンジンブラケットを取り上げ、試作までの工程を説明している。構想設計では、部品に要求される境界条件下で求められる軽量かつ剛性を維持した構造案を示し、さらに製造性を考慮した三次元CADで作成した構想設計案が示された。 本構想設計案の妥当性は、有限要素法を用いた構造解析によって検証され、検証後の構想設計案に基づいた金属積層造形によって航空機エンジンブラケットの試作を行った。 その結果、軽量かつ高剛性な航空機エンジンブラケットの実現に成功したことが述べられている。 今後の金属積層造形技術の発展に大いに寄与するものと判断でき、スマートプロセス学会Best Review Paper賞に値する。
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