受賞者 | 斉藤 誠 |
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授与者 | 公益社団法人電気化学会 電池技術委員会 |
受賞日 | 令和2年11月18日 |
受賞対象テーマ | 無機バインダを用いた高性能Si負極の開発と電極構造解析(2) アルカリカチオンの影響調査 |
Si負極はグラファイトに代わる負極活物質として、リチウムイオン電池の高エネルギー密度化に向けた有力なアプローチであると考えられているが、活物質の膨張・収縮に伴う容量劣化が課題となっている。斉藤氏はケイ酸ソーダを主成分とする無機バインダを開発し、これを塗工電極表面にコーティングすることで、活物質の膨張・収縮によって発生する応力の緩和に加えて、集電体への密着強度を向上することに成功した。さらに、バインダに含まれるアルカリ金属の影響を系統的に調査し、カリウム系のバインダを用いた場合に、サイクル特性の改善に加えてクーロン効率が向上することを確認している。この結果は、合金系負極の特性改善に向けたアプローチとしてオリジナリティが高く、更なる発展が期待できる点において、高く評価できる。