取得学位 | 博士 (工学) |
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取得者 | 堀口 結以 |
取得大学 | 岐阜大学 |
取得日 | 令和2年6月30日 |
高分子に発生するクレーズは、内部にφ10~50 nmのフィブリルとφ10~20 nmのボイドから成るスポンジ状のナノ構造を有している。クレーズ相内部のボイドは、一般的な高分子多孔材料と異なり、基材の融解温度以下で収縮消滅する。本研究では、この現象の原動力として界面自由エネルギーに着目し、ボイドの収縮および消滅温度と界面自由エネルギーの関係性を見出した。
さらに、ボイドの界面自由エネルギーおよび基材の力学強度を考慮することで、通常の変形では見られない、ボイド径を維持しつつ材料全体に占めるクレーズ相の割合および気孔率を増大させることに成功した。
クレージングフィルムの特性を利用することで、多孔フィルムとしての応用等、産業分野での更なる発展が期待される。