取得学位 | 博士(工学) |
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取得者 | 横山 雄二郎 |
取得大学 | 大阪大学 |
取得日 | 平成21年3月24日 |
真空浸炭法は大気汚染防止や省資源・省エネルギーに有効な技術とし て注目されているが、制御性が劣るために十分普及していない。本研究では、炭素濃度分布の解析手法を構築し、これを用いた制御性の向上に取り組んだ。低炭 素鋼では解析精度は高かったが、広く用いられている低合金鋼ではかなり低かった。そこで低合金鋼SNCM815に対して真空浸炭を行い、浸炭処理時に鋼表 面に析出した煤がその後の拡散処理時に鋼内部へ固溶していくことが原因であることを明らかにした。そのうえで煤の固溶を考慮した解析手法を再構築したとこ ろ、その解析精度は大きく向上した。これにより広範な鋼種に対して真空浸炭法の制御性を向上させることができた。 また現在もっとも使用されているガス浸炭法の改良にも取り組んだ。炉内雰囲気組成の変動に対応しうる解析手法を構築・検証し、この手法を用いた省資源・ 省エネルギー型浸炭法の開発が可能であることを示した。