ConMat'20 Best Paper Awardを受賞しました
ConMat'20 Best Paper Awardを受賞しました
金属表面処理研究部 表面化学研究室長 左藤眞市が執筆者として名前を連ねている論文がConMat'20 Best Paper Awardを受賞しました。
論文のタイトル:Corrosion mechanism of steel in concrete
執筆者:Satoshi Takaya, Shinichi Satoh, Yohei Hamura, Takashi Yamamoto, and Toyoaki Miyagawa
論文の概要:
コンクリート中の鉄筋は、アルカリ環境であっても塩化物イオンが存在したり、あるいは二酸化炭素による中性化が起きると腐食が始まります。すると、鉄筋はその生成した鉄さびによって体積が増加するため、コンクリート内に膨張圧がかかり、コンクリートにひび割れが生じます。ひび割れができると、ひび割れの部分から塩などの塩化物イオンが侵入し、また二酸化炭素が侵入して中性化も起きやすくなるため、鉄筋の腐食が加速し、コンクリートの劣化につながります。このため、コンクリート構造物の腐食を防ぐことは重要ですが、その腐食メカニズムは未だによくわかっていません。
本研究では、アルカリ環境での鉄の腐食プロセスを明確にするために、さまざまな水酸化物イオン濃度および塩化物イオン濃度の溶液中で形成された鉄の腐食生成物をラマン分光法で評価しました。また、溶存酸素が生成する腐食物に与える影響も調べました。さらに、実際のコンクリート内で発生している鉄筋腐食を多数調査し、コンクリート中の腐食メカニズムを検討しました。
ConMat'20については、次のホームページをご参照ください。
URL:https://biz.knt.co.jp/tour/2020/08/conmat20/index.html
○本件に関するお問い合わせ先
・大阪産業技術研究所 和泉センター 金属表面処理研究部
・TEL:0725-51-2525(総合受付・技術相談)