概要
ショットピーニング面の表面直下における深さ方向残留応力勾配の推定方法を提案する.従来,応力勾配は2θ対sin(2ψ)線図の非線形性を逆解析することにより求められてきた.提案する方法は,十分に大きいψ角を設定できないためにsin(2ψ)線図で不明瞭な非線形性しか観察できない場合に有用である.この方法は,並傾法(回転角:ψ)と側傾法(回転角:Ω)を併用するX線二軸傾斜法を含むものである.ある傾斜角Ωの下で並傾法のψ角走査により得られる「傾斜面みかけ応力」は,ほぼcos(2Ω)に比例する.応力勾配はその近似直線のy切片から求められ,最表面の残留応力は比例係数から求められる.この方法を異なる条件でショットピーニングした4個の鋼片に適用した.推定結果は,同一試料について電解研磨による逐次研磨測定を行って得た表面直下の残留応力深さ分布と比較した.