概要
本研究では、プラズマ化学気相成長(PECVD)法におけるプロセスパラメータの最適化により、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜の屈折率を精密に制御する手法を確立した。この知見に基づき、屈折率の異なるDLC層を交互に積層することで、中心波長2.57 μmにおいて反射率99%以上、半値全幅0.274 μmという極めて急峻かつ高効率な赤外狭帯域反射フィルタを実現した。本成果は、DLCの光学材料としての汎用性の高さを示すとともに、従来の赤外光学材料の抱えていた毒性と耐久性の課題を解決し、さらに異種材料積層に頼らない「単一材料による光学素子」の構築という、実用上の新たな選択肢を提示したものである。