概要
カーボンニュートラル社会の実現に向け、アルゴンシールドガスに数%の窒素ガスを混合するティグ溶接の適用範囲が拡大している。しかしながら、ティグ溶接にもかかわらず、窒素ガス混合によってスパッタが発生する場合がある。本研究では、石英ガラスを用いて溶融池内部を高速直接観察するとともに、溶接後に溶接部の窒素含有量を定量的に分析した。その結果、窒素ガス混合ティグ溶接では、アークプラズマ空間を通って多量の解離窒素が溶融池に吸収され、溶融池中の窒素溶解度を超えてガス化することが明らかとなった。材料に依存する窒素溶解度が、窒素ガス混合ティグ溶接におけるスパッタ発生の閾値となることを示唆した。