概要
部分放電は、導体間の絶縁を部分的に絶縁破壊する放電現象であり、その測定と解析は電力設備や電気機器の異常診断などに利用されている。近年、診断精度の向上を目的とし、機械学習の導入が注目されている。本稿では,近年の技術動向とORISTで実施してきた部分放電実験および解析方法について解説する。具体的には、(1)古典的機械学習と位相分解特徴量を用いた放電電極の推定、(2) Deep Neural Networksによる位相分解放電画像データの分類、(3)放電信号の特徴量抽出手法として期待される動的モード分解(Dynamic mode decomposition: DMD)を中心に紹介する。