概要
単一分子のキラリティの検出が分析化学や光物性物理学における究極の目標の一つである。そのためには、金属構造の近傍の超キラル場の活用は有望な方法であると考えられているが、超キラル場が分子とどのように相互作用するかは未解明である。それは、金属表面の近傍での電場ベクトルの空間構造が不明確であり、局所場を直接測定することが困難であるからである。本研究では、3次元の電場ベクトルを計算し、金属表面の直上の2次元平面内での近接場CDの全体像を明らかにした。さらに、光誘起力顕微鏡(PiFM)によって超キラル場の近接場CDの空間構造の検出手法を理論的に提案した。