概要
現在の電磁波利用技術はミリ波帯域での開発が進んでおり、電磁環境改善と電磁波制御のために薄型電波吸収体の設計が急務となっている。電波吸収体は通常電磁波入射面から見て吸収材背面に金属板を裏打ち(メタルバック)した構造となっているが、コスト高、重量の増加、接着層を入れることによる性能低下という課題がある。そこで今回、メタルバックの有無により電波吸収特性がほとんど変化しないミリ波帯用電波吸収体を開発した。表皮厚よりも十分に厚くした導電層により透過抑制と吸収を行い、かつ、積層した誘電体層を整合層として表面からの反射を抑制する2層構造を検討した結果、28, 40, 60GHzで十分な吸収を実現した。