概要
本報では,金属3D積層造形の一種であるレーザ粉末床溶融結合(L-PBF)プロセスによる熱履歴を経て形成されるアルミニウム合金造形体の組織の特徴と機械的性質の関係について概説する.はじめに,鋳造用Al-Si系合金粉末および析出強化型Al-Mg-Sc系合金粉末を用いて作製したL-PBF造形体に関し,レーザ溶融による急冷凝固に起因した組織形成過程および強化メカニズムについて述べる.次に,L-PBFプロセスにおける高温溶解・急冷凝固の特長を活用して当所で新たに開発した積層造形用耐熱アルミニウム合金の事例を紹介する.