概要
レーザクラッディングにおいて気孔欠陥の無い緻密な肉盛層を形成するために、肉盛層に気孔欠陥として残留する気泡の発生機構の解明が望まれている。そこで本研究では、レーザクラッディング中の溶融池内部に対して石英ガラスを用いた直接観察手法を適用し、気泡の発生過程の可視化を試みた。そして、インコネル625では粉末粒子が溶融池表面から内部へ突入することで気泡が発生する様子、WC-Coでは主に溶融池内部から気泡が発生・成長する様子を捉えた。これらの結果は、粉末材料に応じて気泡発生の主要因が異なることを示しており、気孔欠陥の発生抑制のためにはそれぞれで最適な対策が必要であることを示唆した。