概要
アルミニウム合金粉末を用いたレーザ積層造形は,その低比重・高熱伝導性を活かし,軽量化部材や熱交換器などの熱制御部品への応用が期待されている。積層造形用アルミニウム合金としては鋳造用Al-Si系合金が標準的に用いられているが,著者らの過去の研究から,Al-Si系合金造形体の強度は150°C以上の高温域において大幅に低下することがわかっている。そのため,高温部材への用途拡大に繋がる素材の耐熱性向上が課題となっている。本報では,著者らが開発を進めているアルミニウム-遷移金属系合金を用いた積層造形用耐熱アルミニウム合金について概説する。