概要
Society 5.0として提唱される高度にネットワーク化した社会では、曲面への実装が可能なセンサなど、柔軟で目立たない電子デバイスのニーズが高まっている。本論文では、繊維に単に固いチップを実装するだけの繊維デバイスではなく、繊維そのものがセンサ機能をもつものとして、導電糸を絶縁性マルチフィラメントで被覆した芯鞘構造を2本撚り合わせた構造をもつ、圧力センサ糸を提案する。本諸撚糸に力を加えると、マルチフィラメントの変形によって2本の導電糸間の電気抵抗が大きく減少し、この変化から力を検知することができた。また、センサ糸を埋め込んだ布地や組紐の形態でも、外力を検知できることを実証した。