概要
市販の安価な材料を用いて,分光エリプソメーター用温度制御ステージの開発を行った。開発した温度制御ステージは,最大140 °C程度まで基板を昇温可能で,加熱時も分光エリプソメーター本体に悪影響を及ぼさないことを確認した。温度制御ステージとステージ上の試料の温度差を補正するために,微細加工により作製した薄膜温度計を用いて温度校正を行った。この温度制御ステージを用いて,実際にPMMAが主成分である電子線レジスト薄膜の測定を行った。屈折率と膜厚の温度依存性の結果から,ガラス転位温度や屈折率の温度に対する変化量は,文献値と良い一致を示した。これらのことから,開発した温度制御ステージを用いて,分光エリプソメーターによる材料の温度依存性測定を精密に行うことが可能であることが示された。