概要
我々は分子波動関数を取り入れた部分細分化離散双極子近似法を開発し、局在プラズモンと分子の相互作用を自己無撞着に解析することに成功した。実験的観測結果に対する、本手法を用いた理論解析で得られた成果を紹介する。特に、ペンタセン二層膜PiFM像を再現し、分子内部の電子状態を可視化できることを示した実証例について詳しく述べる。さらに、単一キラル分子の光学活性評価や局在キラル場を用いた選択的トラッピングを理論提案を述べ、理論研究と実験研究の相補的な連携に基づく、プラズモン-分子複合系の相互作用の本質的理解と実証の道筋を議論する。