概要
生体液の粘度測定が可能なマイクロ流体チップは、疾病状態の予知やストレス評価などのために重要であるが、サンプル液量として100 μL以上程度が必要であり、生体液の取得が被験者の負担となってしまう。本研究では、撥水性の不織布を基材とし、この内部に親水性領域をパターニングすることにより、水系溶液が流動可能な流路を形成し、数μL程度といった微少量の溶液流動を可能とした。櫛歯状の印刷電極を設けて液の電気伝導度を計測可能とし、毛細管現象による液流動時間を計測した。生理食塩水とグリセリンを混合して同一イオン濃度で粘度を変化させた溶液を用いて、粘度を推定できることを実証した。