概要
繊維を用いた柔軟なセンサとして,現在知られている主な方式と研究開発例を解説した後,我々が開発した外力センサ糸と水分センサ糸,人体動作検知への応用について紹介する.本センサ糸の構造は,2本の電気的に独立した導電性繊維を芯糸とし,その周りに炭素被覆繊維をカバーリングしてこれらを諸撚りしたものである. 本センサ糸に外力を加えたとき, 2本の芯糸間の抵抗値が変化することで外力の印加を検知できる.本センサ糸は, 水分や人工汗中に浸漬されてもセンサ特性に影響を受けず,水や汗がかかる環境であっても安定に動作できることを実証した.