概要
鋳造分野において、XRD装置は炭化物のような鋳物中の微量な析出化合物の同定に使用される。通常、微量な析出化合物はバックグラウンドに埋もれてしまい、ピーク検出が難しい。そこで本稿では、これからXRD装置を使用する日本鋳造工学会会員の方に向けてXRD装置の分析原理、装置を用いる際の注意点、XRD装置を用いた分析事例について紹介した。また分析事例では、高クロム鋼鋳鉄に含まれる炭化物の同定結果を報告するだけではなく、最近話題の全固体Li電池の負極材の研究やレーザを用いたセラミックスの突合せ接合の研究にXRD装置を用いた例も述べた。