概要
Q(t)法による直流電気設備診断結果の物理的解釈方法は発展途上にあり、実運用上、データとモデルを対応付けする理論が必要である。本研究は高温環境下での遅れ時間の長いQ(t)データの解析方法として、回路モデル作成とそのパラメータ推定手法を提案し、数値実験と高温試験結果を用いて手法の検証を行った。その結果、提案手法は時間分解能が十分ならば絶縁材料の回路パラメータ推定手法として有効に機能し、パラメータ再代入による電荷量の順解析結果もよく一致した。これにより、回路モデル仮定時に材料中電荷量を良い精度で推定可能になり、高温環境下での絶縁材料・設備の状態をQ(t)データから解析評価する方法が確立できた。